医院名:くらかわ整形外科・耳鼻咽喉科 
住所:〒662-0084 兵庫県西宮市樋之池町10-15 
紀乃国第一ビル101号室
電話番号:0798-70-1010

めまいのリハビリ

めまいの治療について

めまいの治療には、大きく分けて「お薬の治療」と「めまいリハビリ」の2つがあります。海外では、以前からめまいリハビリが実施されていました。日本では、最近になってめまいリハビリが注目されつつあります。

薬物療法とめまいリハビリ

お薬の治療はもちろん必要ですが、「薬だけ」の治療には限界もあります。治りにくい良性発作性頭位めまい症(BPPV)や、繰り返すふらつきなどの病気を治療する中で、内服のみの治療では限界を痛感する場面がでてきます。

一般的に、めまいの最初の時期は安静にしていますが、落ち着いてきたら徐々に体を動かすことが推奨されます。これがめまいリハビリの始まりです。最初、患者さんは体を動かし始めた時にめまいが強いとそのまましばらく安静にしていようとしますが、長く安静が続くとめまいやふらつきが慢性化し、ずっと続く状態に陥ります。
このような状態のときに、自分一人でめまいリハビリを行おうとしても、ふらつきによる不安や転倒の危険などの為、リハビリを行うのをためらってしまうのが大半です。そして怖さから、リハビリを継続するのは難しいのです。

このような状態を治すため、当院では医師指導のもと、理学療法士・作業療法士が、正しいめまいリハビリを推進しています。めまいをリハビリによって自分の力で治していくのです。
めまいリハビリは、目(視覚からの情報)、耳(前庭への刺激)、首(頚部の運動)、足の裏(深部感覚刺激)の反復刺激で構成されています。ですから、1回や2回の練習では効果が無く、繰り返すことで小脳に学習記憶されます。

高齢のめまい患者さんでは、めまいに加えて「ふらつき」を訴えるケースが多くみられます。
〘歩くときにフワフワと雲の上にいる感じがする〙このような症状について「加齢性平衡障害」という概念が提唱されています。めまいリハビリは小脳の中枢性代償を促すための訓練です。高齢になると、小脳を含めた中枢神経系はもちろん骨、関節、筋肉などの機能が衰えるため、これらが加齢性平衡障害の原因となります。
この状態が悪化すると、立ったり歩いたりする動作が困難になり、要介護や寝たきりにつながります。人間は、30歳を過ぎると、徐々に筋肉が減少します。これに対処するためにリハビリや筋肉トレーニングが必要になります。

最近話題のフレイル(要介護に陥る前の高齢者の虚弱した状態)、サルコペニア(筋力低下や身体機能低下をきたした状態)を予防し、何歳になっても寝たきりになることなく、元気にすごせるよう、めまい・ふらつきリハビリに取り組んでいきましょう。